教師の人としての尊厳を取り戻そう

行ってきました、たかまつななさんのイベント!

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目からウロコというか、

 

教師は人として認められていないんだな・・・

 

ということがわかりました。

 

教師といえば、仕事ができない、勉強しない、世の中のことが何もわかってない・・・と思われがちですが、このイベントに参加してわかりましたよ。このイメージは教師が怠惰という背景ではなく、教師の働き方を定めている制度が背景にあったんです。

 

まず、1966年に行った教員の労働実態調査で残業時間が週2時間未満だったことから一律4%上乗せしてしまおうという給特法ができました。それが半世紀以上経った今も採用されているわけです。今は状況は全く違うため、中央教育審議会では教師の働き方を見直そうと動いているそうです。

ちなみに今は教師の平均残業時間は81時間だそうです。ちなみにちなみに過労死ラインは80時間ですからね。忘れないでね。

 

「でも、たぶん先生って夏休みとか冬休みとかあるから忙しそうなときとならせば今までの週2時間未満で収まるんじゃね?」ということで年単位の変形労働時間制で忙しい時期の労働時間と忙しくない時期の労働時間を相殺してしまおうとしています。今先生の残業代を払おうとすると9000億〜1兆円になるそうです。そんな予算はない。だから1.25倍つけるより、ならして上乗せ無しで済ませようという意図がうかがえます。

しかし、内田先生の調査によると、一番忙しくない8月でさえ一日の労働時間は8時間を超えているそうです。教師の労働実態調査も1966年の次は2006年の10・11月、その次は2016年の10・11月と、ほとんど名ばかりの調査しか行っていないまま国は新しい仕組みを導入しようとしているのです。

 

現場にはだんだんタイムカードが導入されつつあるようですが、出退勤は一日一つのハンコで済まされている(内田先生いわく「生きてますという生存確認」w)ということでした。このため、働きすぎて病気になったとき、教師の場合はそれを証明するのが難しいんだそうです。民間では考えられないですよね…。

他の職業の人には認められていることを教師は認められていない、人としての尊厳を踏みにじられているのです。

 

ダラダラ仕事をしている人に残業代をつけるのかという議論は先にしっかり残業代をつけるという人間としての尊厳を回復するところを以って始めるべきだと思います。

 

 

では、「教師は仕事ができない」ということにして、ダラダラと工夫することもなく働いている教師に残業代がつくことになるのでしょうか。これは校長や管理職の運営の問題です。民間の場合で考えると仕事が速い人により複雑なタスクを与え、能力が劣っている人にはステップアップできる工程を与えることでコストを調整すると思います。ただ、優秀な先生(民間もそうだと思いますが)にばかり役割が集中し、その正義感ゆえに不幸な事が起こってしまうという結末は避けなければなりません。しかしこれも校長の運営次第だと思います。

 

教師の仕事内容も見直す必要があります。これは担任制がいけないのではないかと思います。民間企業であれば会計や人事などの専門の人がいて、それをすべて担っていますが、学校ではクラス単位学年単位で仕事を分配しているので非効率です。また、100円のものを買うのに3枚も書類を書かなければならなかったり、成績表の所見を書くのに不合理な何重ものチェック体制をかいくぐらなけれならない学校もあるようです。民間から見れば全く必要のない業務が山ほどあると思いますが、運営側にコストの意識がまったくない中では細部ばかり気にして全体の量には無関心であるという事態が続いています。

また、英語や情報の必修化や土曜授業など、次々と新しい仕事が文科省から降ってきますが、人員の増員もなければ代休がつくわけでもありません。普通の企業ならやれる範囲で業務を行うため、新しいことをするなら他のことを諦めます。しかし、学校というところは教師は「残業週2時間未満」で無限に働いてくれるので仕事は増える一方なのです。

さらに、親や地域は本当に罪深くて、部活やお祭りの見回り、家庭の学習・生活態度などにも先生の自発的な自己犠牲を利用しています。時間外であっても教師を働かせ続けているのです。

 

 

色々な論点を書いてしまいましたが、

まずは、教師の人としての尊厳を回復する。

これに尽きると思います。その後で校長は経営努力をしてコストの問題を少しずつ解決していくべきです。しかし、このままでは給特法は継続され、変形労働時間制が導入されそうだということです。「最低でも審議継続。世論が動きそうな今がまさにチャンスだ」と内田先生はおっしゃっていました。

わたしたちも人任せにして変わるの待つのではいけないと思います。先生の皆さん、おかしいこといっぱいありますよね?おかしいことはどんどんつぶやいていきましょう!我々が「世間」を動かし、マスコミを動かし、国を動かしていきます。そして子どもたちの未来のために学校を変えていきましょう!

 

 

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