デザインシフトで学習意欲を生み出す
人生何が役に立つかわからない。関係ないことでも得意分野のフィルターを通せば新しいことが発見できる。新しい道が開ける。だからどんなことでも積極的に学んでほしい。「学び直す」という本が出てるくらい、おとなになってもっと学んでおけばよかったと思う人がたくさんいるんだよ。
と、子どもに言ってみたところで、
「よし、じゃあ頑張って勉強しとくか!」と学校の勉強に真面目に取り組み始める子どもはいないでしょう。
おとなになると、
あー、あのときもっと勉強しとくんだった・・・
と後悔する人が多いのですが、子どものときに教科・科目の有用性に気づく人はごく少数だと思います。
薬剤師になりたくて大学に入った人のSNSの投稿が「テスト辛くてストレス」でした。
専門大学に入るくらいだから、なんで?やりたくて入ったんじゃないの?と思ってしまいましたが、ちょっと深読みしてみました。
①そもそもカリキュラムが間違っていて疑問を持っている。そしてそのギャップが辛い。
(コメント)↑うーん、これは辛いですね。今すぐ文科省に殴り込みに行きましょう!
②必要なことなんだけど、本人に自覚がない。
(コメント)↑うーん、薬剤師になりたいっていうのは、あれかな?気の迷いだったのかなっ?もう一度出直してこようねっ!
③そもそも薬剤師になりたくない。
(コメント)↑塗る薬なし。
さて・・・。
児童・生徒の学習意欲を掻き立てる言葉はどんなものでしょうか。
自分のことに置き換えてみますと、私はどのような言葉をかけてもらっていたら積極的に勉強できたでしょうか。幸いなことに、私は学校の勉強はそれほど苦ではありませんでした。難しそうな問題が解けたり点数がいいとかっこいいから数学・化学・地学には興味がありました。ちなみに国語で覚えていることは全くありません…。国語の先生には「国語ってすごいんだよ!」という言葉をかけてもらいたかったですが、そんなこと言われてもやはり当時の私には響かなかったように思います。
きっと、教師がかける言葉ではなく、楽しいとかおもしろいといった実体験が学習意欲を掻き立ててくれるのではと思います。
人間はすべての事象に興味をもつことは難しいと思いますが、きっと一つのことになら興味を持てるのではないでしょうか。まずは個人が興味を持ったことからはじめ、そこに紐づけて他のことに広げていけば無理なく意欲を維持しながら学習に取り組めます。興味を持った学習意欲は最強です。
一斉に同じ方法で同じことを教えても学習者の支持は得られません。すべての学習者が同じ順番で学習しなきゃならないなんてのも私たちの幻想です。一人ひとりに合わせた学習はすでに可能になっているのです。
情報時代の学校をデザインする: 学習者中心の教育に変える6つのアイデア