【更新】新学習指導要領のねらい

 

こんにちは。

一年前に「次期学習指導要領のねらい - これからの「国語」を考える」という記事を書いたのですが、一年経ったということで、これまでいろいろ考えてきたことも踏まえてもう一度次期学習指導要領について考えていこうと思います。(いずれ過去の記事は削除する予定です。)

 

一昨年末に次期指導要領の改訂案がまとめられ、幼稚園、小学校、中学校、そして先日、高等学校の新指導要領が発表されました。幼稚園は本年度から既に施行、小学校は2020年度、中学校は2021年度、高等学校は2022年度から施行されます。

 

今回の改訂では特に学校教育で「生きる力」をどう身につけていくかがキーポイントになっています。

私たちを取り巻いている技術は急スピードで進化していて、これまにない職業や働き方が生まれています。今の子どもたちの半数以上は現在は存在しない職業に就くという予測や、仕事の半数以上がAIなどによって自動化されるという予測がある中で、子どもたちは「生きるとは何か」「働くとは何か」という人類の新たな問題と向き合っていかなければなりません。これまでの「常識」が通用しない未来に生きる子どもたちに、私たちは何を教えることができるのでしょうか。

それが「生きる力」です。過去に考えられていた「レール」はもはや存在しません。学校教育が終わったら探求を止めてしまうというのではなく、自身の人生や社会に興味を持ち、試行錯誤しながら問題を発見・解決して新たな価値を創造し続けることができる基礎力を学校で身につけられるような教育をしなければなりません。

 

そのような力を身につけるために、その内容を通じて「何ができるようになるか」を意識した指導が必要になります。

現在は学校で学ぶことと外の世界は断絶していて、「勉強しても意味がない」と考える人は少なくないでしょう。

ですから、学校で学ぶことと自分の人生が実はつながっていて、普段の学びの訓練が社会の実際の問題の解決に応用できることを意識させることで、予測困難な時代にも学校で訓練した「生きる力」を発揮してほしいというのが今回の改訂の一番のポイントだと考えます。

 

 

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