次期指導要領のねらい3 国語科

このブログでは、過去に2回、新指導要領について考えました。

 

今回は第3弾として、国語科について考えてみたいと思います。

参考;次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ(第2部)(国語、社会、地理歴史、公民)

http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2016/09/09/1377021_1_3.pdf

 

現行学習指導要領の成果と課題を踏まえた上での目標として、

・「知識・技能」の「言葉の働きや役割に関する理解」は、自分が用いる言葉に対するメタ認識に関わることであり、言語能力を向上させる上で重要な要素

・創造的・論理的思考を高めるために、「思考力・判断力・表現力等」の「情報を多面的・多角的に精査し構造化する力」がこれまで以上に必要

・自分の感情をコントロールすることにつながる「感情や想像を言葉にする力」や、他者との協働につながる「言葉を通じて伝え合う力」が必要

 という点を挙げています。

また、より深く、理解したり、表現したりするためには「情報を編集・操作する力」、「新しい情報を、既に持っている知識や経験、感情に統合し構造化する力」、「新しい問いや仮設を立てるなど、既に持っている考えの構造を転換する力」などの「考えを形成し深める力」を育成することが重要とも書かれています。

この全てを身につけることができれば立派な人になれること間違いなしです!

 

…さて、言語は自己または他者とのコミュニケーションの道具です。現在のコミュニケーションの特徴は、①圧倒的な情報量と②対面せずに多くの人とコミュニケーションを取ることができるインターネット社会であるという点です。

インターネット社会になり、子どもたちはなんでも知ることができるようになりました。しかし、我々大人もそうであるようにその情報検索はどんどん狭まっていく可能性もはらんでいます。自分の考えを補強する検索を繰り返すことによって偏った情報でさえ正しいと思えてくるのです。

そこで、必要で適切な情報を集め、それを理解し、発信する言葉や考えを客観的に見ることができる力を身に付けようということです。

また、他者とのコミュニケーションに関しては、リアルに対面していても以前よりは顔やその場の雰囲気(日本的“空気を読む”)では相手の意図を読めなくなってきていると思います。そのような社会では新たなコミュニケーションツール(今現在ではSNSなど)で「言葉を通じて伝え合う力」が必要です。さらに言えばメッセージにはスタンプや絵文字が欠かせないものとなっているように、言語以外の方法も今後国語科の担う表現方法になってくるかもしれません。

 

これから数年後さえも予測不可能な時代に突入していきます。常識や型に囚われず、どうすれば子どもたちが言語を使って豊かな社会を作っていけるかを考えたいですね。

 

「言葉にできる」は武器になる。

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