中国の大学のオンライン授業について報告します1

 

こんにちは。

新学期を迎えた日本ですが、コロナウイルス流行の影響で休校の延長を決めた自治体・学校もあれば、再開を決めたところもある・・・みなさん文字通り暗中模索で恐る恐る動き出していることと思います。

このような中、ついに日本の学校教育でも「オンライン学習」が動き出そうとしています。そこで、中国にある大学でのオンライン授業について報告したいと思います。本記事はまず、オンライン授業の周辺を説明します。

 

中国の大学は2月下旬に新学期が始まる予定でしたが、コロナウイルスの影響で全国の大学が新学期を遅らせました。私が所属している大学では新学期開始を2週間遅らせましたが、それでも全教員・全学生をキャンパスに戻すのは不可能だと判断し、「6週間オンライン授業を行う」という方針で新学期をスタートさせました。

注1:中国の大学生は基本的に全寮制で、キャンパス内には多くの学生が住んでいます。寮は6人前後の相部屋が一般的で、一人でも感染者がいた場合は大規模なクラスターを生む危険があります。また、春節でふる里に帰っていた教職員にも大学がある町にはなるべく戻らないようにという指示が出ています。

注2:私が所属する大学ではオンライン授業を行う期間は6週間という判断で新学期がスタートしましたが、これも延長されそうです。

 

教員はリアルタイムで授業を行ってもいいし、資料などを学生に提供して各々学習させてもいいようです。

また、オンライン授業を行う際のソフトは色々あるようです。私も説明を受けましたが、iOSに対応しているのはテンセントが提供しているソフトだけだということで、特に他と比べることなくテンセントを選びました。

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テンセントのオンライン授業ソフト「腾讯课堂」のダウンロード画面

注3:それでも日本で買ったMacはテンセントのソフトをマルウェアと判断し、起動させられず…。結局同僚の先生にWindowsのパソコンを借りて使うことになりました。

 

ソフトをダウンロードした後サインインをしますが、所属機関名と電話番号を入力するだけで「〇〇先生の教室」という空間ができあがります。本人確認はサインインの際にショートメールで送られてくるPINコードを入力するだけなので、実際は先生じゃなくても「〇〇先生の教室」は作成可能だと思います。

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授業を開始する前の画面

「教室」の場所はQRコード(自動生成)またはURLで学生に知らせます。中国の大学にはクラスに一人「学習委員」という役割の学生がいるので、その学生に知らせればみんなに知らせてくれます。今回教務課からその科目のクラスのWechatまたはQQのグループを作るように指示があったので、そのグループに直接知らせることもできました。なお、このグループの連絡先のQRコードシラバスに添付するようになっていたので、教務課も知っています。また、教務課が実際に授業を行っているかどうか抜き打ちで入ってくることがあります。私は教務課の人には直接「教室」の場所は教えていませんので、おそらく学生の誰か(オンライン授業サポート担当になった学生もいます)が教務課に連絡したのではないかと思います。

 

以上、まずは中国の一大学のオンライン授業の周辺の状況をお伝えしました。次回はどのようなオンライン授業を行っているかをお話したいと思っています。