今、日本を変える方法とは

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今まで親世代がいい人生だと言っていた、「いい大学に入りいい会社に入る」というレールに乗ろうと思ってももうできない世の中になっています。

物理的にそのレールに乗ったとしても本人が「幸せだ」と感じることはありません。今の若者世代は車を買うことや家を買うことに幸せを感じないのです。昇進には興味がなく、給料よりも休みがほしいという人が増えているという調査結果も出ています。

人の考え方は少しずつ変化しているのに、仕組み自体が全く変わらず歪みが生じていく。これは超高齢化社会である日本の宿命でもあります。

おじいちゃんおばあちゃんが動かしている日本という国の制度や仕組みはなかなか変えられませんが、働き手不足など、必要に迫られることによって制度や仕組みが変わるという動きに私は期待しています。

そして、学校教育においては、この「新卒」という枠組みが変わることによって、いい方向に向かっていくという期待が持てます。

 

私は20歳の時に大学に入りました。そして大学4年生を2回やりました。大学院にも入っているので、働き始めたのは27歳のときです。人よりも3年(考え様によっては5年)立ち止まって考える時間がありました。大学も出て22歳で就職した人は本当にすごいと思います。私は性格上まったく先のことが考えられず、周りと比べると決断がとても遅いのです。今やっている仕事を選べたのも年を取っていい意味で選択肢が狭まったので決められたようなものです。

いわゆる人生の夏休みですよね。ベストな選択ができたのかはわかりませんが、周りに流されて焦って決めるよりははるかによかったと100%心から思います。一ミリの後悔もありません。自分のペースで生きてきてよかったと思います。

あくせく働くだけでなくプライベートも充実させることが人生の幸せだと考えられている国では、一度働いてから大学に入る、大学は休学してインターンやボランティア活動をしたり貧乏旅行をするのが当たり前、大学卒業して就職するまでに半年くらい時間があいていてそこで様々なことに挑戦できる、といった人生の夏休みが普通にあります。

 

日本の場合は小学校から大学卒業そして就職までが切れ目なく密接につながっています。その一か所でも緩めば、その他の部分も緩ませることができます。さらに言えば、全ては「就職するというゴール」に向かっているので、その出口が変わることが一番インパクトがありそうです。

肩の力を抜いて気楽に考えよう!と頭ではわかっていっても、仕組みが変わらなければ実行に移すことは難しいものです。「30歳までは新卒だよ」という制度があれば、人生に余白が生まれて若い世代の日本人はもっと幸せになれると思います。

 

余白の芸術