「妊娠で勧められ32人自主退学」の件
こんにちは。今日から新年度ですね!1月1日には叶わなかった「心機一転、がんばる…!」を心に誓います、を毎回繰り返しています。
さて、最近また学校関連のニュースが話題になっていましたね。
時間がある時はだいたいNHKのニュース7を見るのですが、このニュースを見て「お、ブログに書けるな」と思いました。twitterのタイムラインでもこのNHKのニュースを引いている人が多かったです。
「おー、そうか、妊娠すると学校の先生は自主退学を勧めるのか、全然生徒の将来を考えてないんだなっ!!!(ドヤッ」
というのが私のさっきまでの考えでした。
何が言いたいのかというと、今回は他のリソースを引いて本当によかった、ということです。
人は何か情報に触れた時、自分が信じたいことしか見ないんですよね。
今回の件で言うと、まず「学校(先生)は基本的に保守的でろくでもない」という先入観からスタートします。
「あー、だから32人も学校の都合で退学させられたのかー。学校ってやっぱり悪いところよねー」(*´・ω・)(・ω・`*)ネー
以上。
でも、このNHKのニュースだけ見ても色々なことがわかります。
・32人という数字は2年間でであるということ(まじかということは一年で16人か…)
・2年間に妊娠を理由に退学した女子生徒は合わせて674人で、学校の勧めで退学したのはその中の32人であるということ(まじかそしたら全体の5%未満やん…)
実際に自主退学を勧められた女子生徒がいるという事実は変わりませんが、最初の印象からはだいぶ違って感じますよね。
さらに、他のリソースに当たってみてわかったことは、学校が妊娠を把握した件数です。2年間でその数2098件…(ほう…)。
円グラフってわかりやすいよねー、ということで毎日新聞が円グラフにしてくれているのでリンク貼ります。
なんと学校の勧めで自主退学した生徒は「わずか」1.5%です。
改めて、自主退学を勧められた女子学生がいるという事実は変わらないのですが、最初の印象は今はもう記憶の彼方です。抹消しましょう恥ずかしいから。
学校の苦悩に考えが及ばないでもないですが、半数以上は学業の継続が決断できています。
しかし、実はこの件で注目しなければならないのは、円グラフの30.6%を占めている「本人・保護者の意思で自主退学」を選んだ事例なのではないでしょうか。
実は学校が一番多様性を排除していてそれが社会に反映されている
— 為末 大 (@daijapan) 2018年3月31日
妊娠で勧められ自主退学32人に|NHK 首都圏のニュース https://t.co/1asiHpH6wa
妊娠することの何が悪いのかわよくわからないけれど、その子の親は現代の日本社会への背徳のような気がして「辞めさせなきゃ」と思ってしまう。
妊娠することの何が悪いのかわよくわからないけれど、その子自身が周りの言葉や視線にいたたまれなくなってしまい「辞めたい」と思ってしまう。
高校は選抜があるので余計に同質な人間が集まってしまうシステムになっています。昨日まで「同質」だと思っていた人、そして自分が、「異質」に変わってしまったときの異常なまでの免疫の暴走は想像に固くありません。その免疫システムを着実に育んでいるのが現代の日本の学校だと思います。
いずれ否応なく日本の学校のシステムは変わっていきますが、それまでいかに子どもを守っていくかは、逆説的ですがやはり学校・教師の役割なのだと思います。重要な場面でしっかり多様性を確保していくことは日本の未来にとっても必要なことです。